
この権威ある本賞は、現代アートの境界を押し広げることに挑むアーティストを称え、その活動を支援するためのプラットフォームとして位置づけられています。アラブ首長国連邦での開始を皮切りに、2022年にはGCC地域へと拡大し、現在ではMENA地域全体に向けて開かれています。
https://artprize.richardmille.com/
本展では毎年、公募によって選出されたアーティストによる作品が紹介されます。当初はアブダビ・ルーヴル館内のフォーラムで始まった展示は、現在では象徴的なドームの下へと舞台を移し、作品の存在感を際立たせる空間として展開されています。
リシャール・ミル アート・プライズでは、「Awakenings(覚醒)」というコンセプトのもと、無意識から意識へと移り変わる“開かれた瞬間”がテーマとして提示されました。
「開くこと」と「開かれること」は、同一の現象が持つ二つの側面を示しています。まず「開く」という行為は出発点を意味し、あらゆる可能性が立ち現れる瞬間であると同時に、進むべき方向を選択する決断の時でもあります。それは、ひとつの旅の始まりです。
美術の文脈における「オープニング」は、展覧会の成立と深く結びついています。そこには相反する二つの意味が内包されています。一方では、展覧会が観客に向けて開かれ、美術館の扉が公開される“始まり”を示します。他方でそれは、作品が最終的な形へと至るまでの、目に見えない創造のプロセスの“終着点”でもあります。
本テーマにおいてアーティストに投げかけられたのは、この「開かれた状態」という概念を、いかに視覚的な形式へと昇華するかという問いです。